さがら女性クリニック 鹿児島中央ターミナルビルに開院
さがらパース通りクリニック
●放射線診断科 ●放射線治療科 ●人間ドック ウェルライフ
相良病院【手術・入院・術後外来】
●乳腺科 ●甲状腺科 ●婦人科 ●緩和ケア病棟
相良病院附属 ブレストセンター
【外来】●乳腺科 ●乳がん検診
今年5月1日に鹿児島中央ターミナルビルに女性のための専門外来クリニック「さがら女性クリニック」がオープンする。鹿児島中央駅と地下通路で直結され、女性の生涯を通じて、身近に専門医療を提供する「パートナークリニック」を目指す。
その意気込みと今後の展開、そして社会医療法人としての夢を、相良吉昭理事長に語ってもらった。
--新クリニックを5月に開院されるまでの経緯をお聞かせください--
私どもは鹿児島県の乳がん診療指定病院として、乳腺の専門医療を行なってきました。現在のところ、鹿児島県の乳がん患者の約8割を相良病院で手術しております。
人口の減少時代を迎え、当然女性も減少していきますので、今の時期に病院の機能を検討していきたいと考えています。そのため、乳腺にとどまらず、婦人科、甲状腺科、女性泌尿器科、そしてダイエット外来など、乳腺専門の医療機関から、女性のための医療機関へ間口を広げ、新しいクリニックの開院に至りました。院長は古謝将一郎です。
--新しいクリニックでは何をする予定ですか--
博愛会には、相良病院、相良病院附属ブレストセンター、さがらパース通りクリニックの3つの医療機関があります。乳腺科においては、まずブレストセンターを受診していただき、手術が必要であれば相良病院で治療を行ない、その後パース通りクリニックで定期フォローをしていきます。
さがら女性クリニックでは、従来の法人内の機能のうち、乳線科以外の診療科を集約し、さらに女性泌尿器、ダイエット相談外来など新しい診療機能を備え、医師も増員しています。
ダイエット相談外来では法人内にある女性専用の人間ドックで見つかった生活習慣病の患者に対応し、専門的な指導を行います。また、法人内にはメディカルフィットネスも有しているので運動についてのアドバイスも可能です。
--「女性が美しくなる病院」のイメージですね--
そうです。病院は病気になったら行くところですが、私たちは間口を広げ、健康な段階からご自分の体に興味を持ってもらい、気軽に立ち寄れるような医療機関を目指しています。
--新クリニックのデザインも名前も、女性好みに工夫されたのですか?--
はい。女性の居心地のよい空間を作っておりますし、名称もあえて「女性」という言葉を入れることにしました。
--他の医療機関にない特徴はほかにありますか--
女性に特化したということのほかに米盛中央駅クリニックと医療モールを形成しています。たとえばさがら女性クリニックで多く診られるであろう骨粗鬆症と診断された患者さんについては、米盛中央駅クリニックを利用することが出来ます。
--さらに今後の展開は--
私たちは今後、それぞれの医療機関を大切に育てながら、いずれは体制の集約を考えています。また相良病院の中には鹿児島県で最初の緩和ケア病棟がありますが、今後は緩和ケアセンターとして、在宅も診られる体制を整えていきたいと考えています。
--広く女性に伝えたいことは--
女性にしか経験できないよろこびがある一方、女性特有の悲しみや苦しみもあります。もし私たち医療者が女性の悲しみ・苦しみが病気だけであるととらえて、病気にしか目を向けなければ、その人が本当に大切にしたいことや向き合いたいことができなくなってしまいます。
私たちが最善の医療を提供するのは当然で、患者さんがどんな悲しみや苦しみ、そして物語があるかを把握して、それとともに向き合っていきたい、それを目指したいと考えています。そのために、がん患者のNPOやフィットネス、遺伝相談、リンパ浮腫外来などがあります。患者さんを支援するための様々な取り組みを大事にしていきたい。
患者さん一人ひとり、またそれぞれの患者さんの一つ一つの思いを大切に、患者さんからいろいろなことを教わりながら患者さんとともに歩める病院づくりをしていきたいですね。