- 【九州医事新報を読んでいる会社役員】
- 15年前のことだが、ある町の医院で癌だと診断された。2回検査して2回とも癌だと言われた。その医院で手術を受けることにしたが、どうも心配で、別の機関で検査したいと申し出たら、院長にすごく叱られた。でも腑に落ちず、九州がんセンターで検査したら、どこにも癌は見つからなかった。それが手術の前日。私と妻はうれしさと悔しさと憤りで、抱き合って泣いた。もし手術していたら再発しないから、その病院は名医になる。実際には傷害罪だが、その証拠はどこにもない。医師の仕事は法の及ばないところにあると知った。あの病院は今も依然として駅前にあるので、これはとても恐ろしいことだ。医事新報は善良な医師や看護師ばかり取材しているが、私の心には15年前の出来事が今もあって半分疑っている。ところで、立場上いろんな団体の会合に顔を出すが、そこで、最近は点滴の㏄を計算できない小学生レベルの看護師がいて、危なっかしくて夜勤をさせられないので、熟練の看護師ばかり泊まりをさせられて疲労困ぱいしているとの話が漏れ聞こえてくる。看護師不足と就職難で生じた現象だと知人の医師は言うが、こういうことも九州医事新報は取り上げた方がいい。いつか記事に「かしこい患者になりましょう」との患者の言葉が載っていたが、私はそれをそっくり医療側にも返したい。
(福岡市内の役員室で)