《がんペプチドワクチン》
コーヒーとケーキを楽しみながらがんを学ぶセミナーが3月8日15時から、福岡市中央区の西鉄グランドホテルのグランカフェで開かれた。NPOウィッグリング・ジャパンと久留米大学が合同で毎月開催しているもので、6回目の今回は、同大学の先端癌治療研究センター山田亮所長が、がんワクチンについて話した。
山田所長は冒頭でガン免疫療法の変遷を述べ、がんワクチンが第4の治療法でありながら、科学的証拠のあるものとないものが混在して、誤解を招いている現状を説明。久留米大学のペプチドワクチン治療は「テーラーメイド」方式で、個々の患者に応じて、キラーT細胞を増やすために最適な治療法を採用しているのが特徴だと述べた。このような「久留米大方式」は、患者に負担・副作用も少ないという利点があげられるという。
先ごろのNHKニュースで、がんワクチンの有効性が確認できないとの報道があったが、この試験で用いたワクチンは、がん組織の中に新たにできる血管を標的としたものであるのに対し、がん細胞そのものを標的とした久留米大のペプチドワクチンはまったく異なることも強調。また治療費がどれくらいかかるかについても触れた。
最後に山田所長は、がん予防はたばこや食生活など、日常の生活改善を図ることが肝要であるとし、受診の相談は【TEL】0942-31-7350まで問い合わせてほしいと述べ講座を締めくくった。
今回も参加者から質問があり、特に、子宮頸癌ワクチンで治療する予定の娘をもつ母親からの接種方法についての質問は、母親の切実な思いを感じさせた。
同日19時からも夜の部が、中央区天神のカフェレストラン・シェーラであった。昼間働いている人の要望に応えたもの。参加者数は昼夜合わせて58人だった。
次回4月19日は「肝がんと膵がん」がテーマで、講師は久留米大学医療センターがんワクチン外来科長、免疫・免疫治療学講師の由谷茂医師。(内)