フォンテーヌ クチュール福岡天神
医療に関する取材の中でウィッグの話が出ることがある。そこで福岡市中央区天神2丁目(新天町)にある㈱アデランスの直営店「フォンテーヌクチュール福岡天神」を訪ねて、店長の安藤房代さんから、同店の医療向けウィッグと利用者の声を聞いた。
「外出の楽しさをあきらめないで」
ウィッグの仕事を40年続けていると言う安藤さんは福岡出身。久留米のデパートにしばらくいたほかはほとんど博多におり、医療向けのウィッグを通じて知り合った人はずいぶん多い。かつて彼女のアドバイスを受けたお客様が立ち寄って、元気な顔を見せることも少なくないと話す。
抗がん剤治療の副作用で髪が抜け始めた時のショックはとても大きく、気持ちがふさいで家にこもる原因の一つになっているそうだ。一般的なウィッグでは髪の量が減少するにつれてサイズが合わなくなり、普段どおりに外出する気分になりにくいと言う。
「その点でフォンテーヌ店は、サイズ調整、メンテナンスは何回でも無料で、ウィッグ購入からウィッグが必要とされなくなるまで対応させていただきます」と安藤さん。
「治療終了後に生えてきた産毛が恥ずかしくて美容院へ行くのを戸惑うお客様のために、当店にはカット専用の個室も4室常備しています」。
治療中の毛髪の状態に合わせたサービスが受けられるのが当店の強みだと自信を見せる。また㈱アデランスは患者さまへのモニタリングと試作を繰り返し、その要望を反映させた医療向けのウィッグを提供し続けている。
「ウィッグに限らず、髪の毛や頭皮に関するお悩みやご相談などがあれば、ぜひお気軽にご来店ください」とのこと。
脱毛とウィッグについて医療の立場から、聖マリア病院の緩和ケア認定看護師岩橋千代さんは「患者の会にいろんな情報がありますが、身近にいる看護師でも親身に相談に応じてくれるはず。医師も治療の方法を話し合う際に、女性が脱毛で悩み、生活に支障をきたすことも念頭に置いておく必要があるでしょう」とコメントしている。