熟考コラム

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ゴキブリ氷山
前号で知人の創作した「人起こしの話」を紹介したが、次も彼の作品。 ―船が今まさに氷山にぶつかろうとしている時、船内では客の悲鳴を聞いて、船長と船員がゴキブリを叩いて回っていた― 字数は少ないが秀逸で、20年以上も前の寓話だとはとても思えない。 この船が今の日本だとすれば、あまりにも当てはまり過ぎている。あるいは今の医療事情とか、自分の職場、さらにもっと身近(たとえば夫婦や親子の関係)に引き寄せてみると、また別の見方ができて、手放しではよろこべない面白さがある。 沈みゆく船の中で理由が分からず、ゴキブリを呪うだけにならないよう、今年の警句としたい。
まっすぐ曲がる
見知らぬ場所に旅する準備をしていたら、立派な人が「この道を真っ直ぐ行きなさい」と言った。道草はよくないと注意もされた。それで私は杓子定規(しゃくしじょうぎ)に、道が曲がっていても真っ直ぐ進んだ。電柱があれば体当たりし、小川を飛び越え、じゃまな垣根はバキバキ壊して一直線に、休むことなく進んだ。そして後ろを振り向くと、家族は傷だらけで疲れきっていた。真っ直ぐ行くとは状況に応じて右に左に曲がることだというのを私は知らなかった。サボるのと休息の違いも分からなかった。
言葉の数
老人の言葉数が少ないのは、昔の人には今の時代のことが分からないのだと若い人は考える。でもそれは大きな間違いである。若い人はそれくらい、何も知らない。
老人が寡黙なのは、知識の多さが何の役にも立たないことを知っており、「知識の量=自分の考えの深さ」という混同がアホらしいのである。知識の多さを誇る若者を見た老人は自分の昔を思い出し、内心で照れる。 では老人のかつての知識はどこに行ったのか。それは知恵に転化した。万の知識が、2つか3つの知恵として結晶化した。だから老人の1つの言葉は、数千の知識を含んでいる。でも若い人はそれを聞こうとしない。言葉の数が少ないがゆえに、軽んじる。
三艘の小舟
手漕ぎの小舟は休む間もなく櫂を漕ぐが、そんなに動くこともなく、結局は川下に流される。 エンジンのある舟は自力で走り、自分の行きたいところまで進む。行き先は自分で決める。 風に祝福された舟は風にまかせて進み、風の選んだ場所に行き着く。行き先は風が決める。(コバルト色の空)

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