福岡県保険医協会 会長 鷺坂英輝

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高貴な義務を負う仕事に誇りを持ち続けたい。

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明けましておめでとうございます。皆様それぞれに新年をお迎えのことと存じます。しかし、時計はいまだに3月11日で止まっているように感じます。「今日で戦後が終わり、新たに震災後が始まった」と言われた通り、私たちは再び大きな十字架を背負いました。年頭にあたり今一度振り返ってみたいと存じます。

かの地でその時、多くの尊い命を救ったのは、40年の歳月と技術の粋を結集して築かれた高さ10㍍のスーパー堤防ではなく、「地震が来たら山に逃げろ」、「異常な引潮、津波の用心」、「此処より下に家を建てるな」、「高き住居は児孫の和楽、想へ惨禍の大津浪」と刻まれた小さな石碑でした。しかし、その石碑の一部は今、大量の瓦礫の下に埋もれています。また、人類の叡智の結集と謳われた原発は、被災直後にメルト・ダウンに至り、今も制御不能なまま広大な荒野の中心で無残な姿を晒しています。戦後、私たちは何を学び、何を失ってきたのか...。これは、驕り高ぶる先進諸国に突き付けられた共通の命題ではないでしょうか。

転じて医療界では、今年、医療と介護の同時改定が予定され、その改定率や配分に眼を奪われがちです。一方、患者さん目線で眺めてみますと、世界同時不況、保険料率上昇、TPP、窓口負担率改悪、受診時定額負担導入など、生存権の一つとしての「受療権」が脅かされようとしております。世界に冠たる国民皆保険制度は、保険証一枚で何時でも、何処でも、誰でも、安心の医療が受けられる素晴らしいシステムであり、これまで、医療者の良心により支えられて来ました。これからも、患者さんの基本的人権を守る視点から、我々は高貴な義務を負うことに誇りを持ち続けたいものです。「吾唯知足」。2012年は大震災復興元年です。様々な困難と苦悩が待ち受けていることと覚悟致しております。しかし、負の遺産を清算し、子どもたちが笑顔で過ごせる次代の礎を築くことは、我々に課せられた使命です。今こそ「惻隠の情」を旨とする武士道精神を思い起こし、心を一つに、医療の現場で本分を共に全う致しましょう。

どうか、本年もご指導のほど、宜しくお願い申し上げます。


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