福岡はすこやか健康事業団を会場に
第7回がん患者大集会が11月27日午後から東京歯科大学の大講堂であり、その模様が全国7カ所の会場にインターネット中継された。個人もスマートフォンなどで視聴参加した。
福岡ではすこやか健康事業団(天神)の一室に設営された画面に参加者が見入った。
テーマは「新薬と新しい治療」。東京大学大学院の間野博行教授が、がん新薬の開発を、実例を挙げて話し、続いて国立がん研究センター中央病院の藤原康弘副院長が、新薬の開発には膨大な予算と時間がかかり、成功する確率も極めて低いことを説明、患者を代表して落合誠一さんはドラッグラグの解消を強く求め、 「日本発の新薬が少なすぎる。外国で使えても日本では使えない薬が多く、認可を待ち切れずにたくさんのがん患者が死んでいる。日本で最高の治療が受けられないのが現実だ。追いつめられて時間の余裕のない患者を救うために、人道的対策を最優先してほしい。希望に勝る良薬はない」と悲痛の声を上げた。
ニッセンライフの集めたがん患者アンケートで、がんの治療費以外に交通費や宿泊費で年間平均23万円、ウィッグで平均19万円必要となり、治療費だけではない出費も必要となることや、患者の4割が、がんであることを告知していない相手がいると回答。また4人に1人は職場の人に、5人に1人は会社にがんであることを伝えていないことが発表された。
福岡の会場では午前中、「卵巣がん体験者の会スマイリー」代表の片木美穂さんが講演し、ドラッグラグの問題や、がん患者にもやれることはたくさんあると励まし、集まった27人を勇気づけた。
日本対がん協会RFL九州ブロックリーダーの宮部治恵さんは「都会にいなくてもネットで参加できる時代になったが、皆が自宅で見られる環境には程遠く、地域格差は依然としてある。患者には、自ら正しい知識を得て治療にのぞんで欲しい」と話している。