福岡山王病院で喘息の勉強会
福岡市早良区百道浜の福岡山王病院で11月26日、健康講座「大人の喘息が増えている」があった。インフルエンザの季節を迎えて行なわれたもので、主催は国際医療福祉大学など=写真。
同院呼吸器内科の力丸徹医師が110人の参加者に、喘息で苦しむ人が増えている理由と治療の状況を、図を使って分かりやすく解説、吸入ステロイド剤の使い方なども、サンプルを手に教えた。
力丸医師はまず、60年代に人口比1%だった喘息患者は、90年代には3%に増え、都市部の小児と高齢者の増加が特長で、苦しければ早めに病院に福岡山王病院で喘息の勉強会ぜんそくその理由は生まれつきの体質(素因)よりも、アレルゲン(抗原物質)や生活環境の変化の影響が多いと話した。その例として、最近の家屋は気密性が高くて室温が安定しているためカビやダニが増加しやすく、食生活も欧米化して卵や乳製品、肉類を多く摂取するようになり、黄砂が運ぶ化学物質や心理ストレスを挙げた。
95年には7千人いた死亡者は、吸入ステロイドなどにより近年、2千5百人までに減少したが、軽症の若年層に亡くなる人が増えているのは、患者の認識不足や不定期な受診が考えられると指摘したうえで、小児性発症喘息は治る可能性があるが、成人発症喘息は重症化しやすいので、「携帯している治療薬で対処できない急性発作が起きたら、早期に医療機関で受診を。喘息発作で亡くなる人の多くは受診遅れが原因」と話した。
質疑応答では10人の参加者から、気管支炎と喘息の違いや、リモデリングへの対応、検査過程での被爆への質問が寄せられ、力丸医師は「検査での被爆は、自然の被爆の2日分ほど。それよりも喫煙による害の方が重大」などと答えていた。