5月12日は「看護の日」看護の心をみんなの心に

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福岡県看護協会 神坂 登世子 会長

福岡県看護協会 神坂 登世子 会長

5月12日の看護の日を含む1週間を看護週間と制定し、毎年全国各地でイベントがおこなわれている。福岡県看護協会会長の神坂登世子会長に看護週間の取り組み、看護の現状、看護師の教育についてお話を伺った。

――看護の日が制定された経緯

平成3年に市民・有識者による「看護の日の制定を願う会」の運動がきっかけでした。近代看護の師と言われるナイチンゲールの誕生日にちなみ、5月12日を看護の日、その前後1週間が看護週間として制定されました。看護師を目指す高校生や一般の方には体験を通して看護や看護の心を知ってもらうために、私たち看護師にとっては看護師を志した頃の気持ちを忘れないという原点回帰の意味もあります。

今年で21回目を迎えるのですが、現在の日本は65歳以上の人口が増えているのに対し、18歳未満の人口はどんどん減少し超高齢社会を迎えています。これからますます多死の時代となることが予想されますので、病院での治療だけでなく在宅医療での看とりに焦点が集ってきています。超高齢社会を支えていくためにも看護の日を通して看護の心、ケアの心、助け合いの心を、私たち一人ひとりが分かち合うことが必要なのだと思います。

――看護の日・看護週間を通して伝えたい事

超高齢社会に伴い、在宅医療を必要とする患者さんが増えていっている中で、看護師になる人数は減少傾向にあります。看護が魅力のある職業でないと志す人がいなくなってしまっては困りますので、そういった意味でもこの看護の日、看護週間が一般の方に看護の魅力を感じてもらえるきっかけになって欲しいと思っています。

医師は診断と治療が主な職務ですが、看護師は24時間患者さんに寄り添っています。しっかり観察し、見守り、慣れない病院生活のお世話と共に、異常があればすぐに医師に報告します。看護の心を持ってしっかり観察していなければ適切なケアを行うことは出来ません。現在は特定看護師(仮称)や専門看護師、認定看護師といったスペシャリストも増えていますが、技術を磨くとともに看護の心を持って観察力や判断力を養い、適確なケアを行うことが重要だと考えます。

経験だけでなく科学的根拠に基づいた教育を受けた看護師が医師と患者さん、またはそのご家族との間を繋ぐ役割を果たせるのだと思います。命を預かる責任のある仕事ですが、それを果たしたときにはお金には変えられない充実感や感動を得られる...それが看護です。

実際に各病院施設で「ふれあい看護体験」に参加した高校生からは、患者さんに笑顔で「ありがとう」と言われる事に心から感動した、初めて赤ちゃんを抱っこした時に高校生なりに命について真剣に考えるきっかけになった、という声を聞きます。そういった感動や喜びがあるからこそ頑張ろうという意欲につながるのです。看護の日もそのひとつのきっかけになってくれることを期待しています。

看護の心は、医療における看護行為の中だけにあるのではなく、日常の中にも潜んでいます。例えば、バスの中でお年寄りに席を譲ったり、風邪をひいているお母さんの代わりに家事をしたりといった事も立派な看護の心を持った行動であると思います。

――現在必要とされている看護やその現状について

時代の流れとともに看護職の役割も変化してきました。患者さん中心の医療という点ではこれまでと変わりはないのですが、最近は医療が高度化し、進化する医療機器を使いこなすことや、高齢化に伴いこれまで以上の手厚い看護が要求されています。また、医療現場の人材不足は深刻な状況です。そういった中で特定看護師(仮称)というのは、現在試行事業が3年目を迎えていますが、医師でなくても出来ることを行える存在として患者さんにとっても医師にとってもプラスの存在になるのではないかと思います。

大切なのは看護職だけでなく患者さんを中心に、医師をはじめとする医療スタッフがそれぞれ力を出し合い、より確実な医療・看護を提供するためにスクラムを組んで医療・看護行為に取り組む事です。それが今必要とされているチーム医療です。

また、変化という点では年々男性看護師が増えているという事もあげられます。福岡県看護協会に登録されているだけでも現在1848名の男性看護師と216名の男性準看護師が働いています。その象徴として今年の看護の日のポスターには男性が起用されています。患者さんも性別や年齢が様々ですから、看護師も性別や年代を問わない職業であるべきだと思います。そうすることでより幅広いケアが提供できると考えます。

――看護師育成、教育について

看護師は資格を取った後も看護職にかかわり続ける限り、生涯教育が必要です。離職防止と医療の安全のため、新人看護職員研修制度が始まりました。また、福岡県看護協会では九州で唯一、認定看護管理者におけるサードレベルの教育課程を始めました。さらに今年は、全国で1か所の教務主任研修に取り組みます。看護職の教育を通して看護の水準を向上させ、県民の皆様に福岡県に住んでいてよかったと思ってもらえる様な看護を提供できればと思っています。

神坂 登世子 会長 プロフィール

福岡県看護協会 会長 神坂 登世子 氏Kamisaka Toyoko

昭和43年国立福岡中央病院付属福岡看護学校卒業。国家公務員共済組合連合会虎の門病院勤務、48年に国家公務員共済組合連合会浜の町病院へ転勤。平成12年から看護部長、20年から副院長兼看護部長を務め23年3月に退職。19年から社団法人福岡県看護協会会長に就任し現在に至る。

社団法人福岡県看護協会

〒812-0054 福岡市東区馬出4丁目10番1号 ナースプラザ福岡
TEL:092-631-1141/FAX:092-631-1142


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