独立行政法人国立病院機構 鹿児島医療センター 循環器科 皆越 眞一 会長
第22回日本心エコー図学会学術集会を鹿児島で開催できます事を心より感謝申し上げます。今回学会への応募演題は一般口演103題、ポスター181題の合計284題でした。会員の皆様の熱意に改めて御礼申し上げます。
恒例の仁村レクチャーは鹿児島大学鄭忠和先生の「私の心エコー図研究を振り返って」です。若い人たちにとって心エコー研究の原点を知る良い機会となるでしょう。特別講演にはアメリカからJea K. Oh先生、塩田隆弘先生をお迎えし、また、招待講演としてアメリカ心エコー図学会から会長のLuigi P. Badano先生を、さらに韓国心エコー図学会からJong-Won Ha先生をお招きしています。海外での心エコーはどのように進んでいるのかを考える良い機会となるでしょう。
Yong Investigator's Award(YIA)では6名の先生のすばらしい発表が準備されています。また、ASEのYIA winerとしてShelby Kutty先生の発表もあります。シンポジウムは4つを企画しました。いずれも現在の心エコー学における大切なテーマです。また、今回から始まる韓国心エコー図学会とのジョイントミーティングでは、上記特別講演の他、韓国、日本両国からそれぞれ2名の医師が参加して行われるケースカンファレンスが企画されました。国を超えての症例検討を是非ご経験ください。
さらに、動脈硬化に対するこれからの血管エコー法の役割を明らかにするために、ビジュアルワークショップを企画し、頸動脈、大動脈、腎動脈、下肢動脈領域におけるそれぞれのエキスパートにお話をしていただきます。3次元時代の今日、心臓の解剖に今一度対峙することは大きな意義があると信じます。その他、教育講演、モーニングセミナー、ランチョンセミナー、イブニングセミナーでは臨床に役立つ有意義な講演が予定されています。
今回は循環器科小児科の先生方にも数多くご参加頂いており、大人の先天性心疾患への理解を深める良い機会となるでしょう。また、ワークステーションにも是非足をお運びください。以上のように企画を準備いたしましたが、学会の真髄である一般演題の講演とポスター会場の方もどうかよろしくお願い申し上げます。
かつてEdlerらがMモードエコー図で僧帽弁の動きを記録したほぼ同じ頃、今と同じく噴煙たなびく鹿児島で僧帽弁輪のエコー図を記録していた人たちがいました。エコーに縁の深いこの地で、エコーを愛する人々が再び集い、知見を交錯させ、新旧貫く棒のようなものが生まれ、参加された一人ひとりに「新たなる飛躍」が始まりますことをこころより祈念申し上げる次第です。