第64回国立病院総合医学会【国立病院機構本部企画】

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国立病院機構の基本的戦略 - 今、何が起きているのか -
NHO本部 梅田 珠実 医療部長

NHO本部 梅田 珠実 医療部長

私からは施設で働いている現場で主役の方々と医療部がともに考え、ともに取り組んでいることをご紹介したいと思います。

まずは国立病院機構の使命と強みですが、臨床研究事業、診療事業、教育研究事業の三本柱があります。診療事業では患者の目線に立った医療の提供、安心で安全な医療の提供、質の高い医療の提供や個別病院に期待される機能の発揮などを目指しています。また、全国144病院のネットワークがあるからこそ、豊富な症例がありベッドサイドの実践的な臨床研究も出来ます。

臨床研究事業ではEBNのためのエビデンス作りの推進、治験の推進、高度・先進医療技術の臨床導入の推進、研究倫理の確立などの使命があります。

教育研修でも質の高い医療従事者の育成・確保、地域医療に貢献する研修事業を実施しています。機構ならではのセイフティーネット分野や危機管理分野についての教育研修も含まれます。ネットワークを活用し、人的、技術的、資金的な相互支援を実施しながら診療・臨床研究・教育研修が一体となった事業を展開している事が強みです。

「質の高い医療を担う人材の育成~医師」についてですが、その課題として医師不足と医師の偏在があります。特に地方においてはこれらは由々しき問題で、機構病院にとっても大きな課題となっています。そこで機構では独自の専修医プログラムを実施し、これまで延べ153人が修了しています。戦略のひとつとして昨年から人材育成キャリア支援室も設置されました。

各病院が自ら質の高い医師を育成・確保しているところですが、多様化する医療においては個々の病院だけで医師を育成するのは難しくなってきています。

そこでも機構のネットワークを活用しての育成が重要になってまいります。本部で人材をプールし派遣してはどうかとのご意見もありますが、地域の大学との協力関係を考えると現実的ではありません。むしろ若い医師間の仲間意識や帰属意識の醸成をはかることや、機構病院には質の高い教育や環境があるという点をアピールしてまいります。そして、大学など外部の医療機関と研修や研修後のキャリアパスにおいて相互に連携することで総合的に人材を育成することが重要と考えています。

具体的な取り組みとしては「良質な医師を育てる研修」として研修医や専修医を対象に各ブロック、病院の協力を得て研修会を開いています。例えば呼吸器疾患、循環器疾患、小児疾患、救急、神経・筋診療スキルアップなどのテーマ別に研修会を開催しています。

循環器疾患に関する研修では機構各病院の指導医による実践的な講義や症例研究のほか、最新のシュミレーション機器を用いた実習やグループワークなども含まれます。神経・筋肉分野の研修会では機構各病院の特色を重視した筋ジストロフィーや神経難病の講義と実習を効果的に組み合わせた研修となりました。機構病院に若手医師を集めて研修することは他の病院について知る機会にもなっています。

このような研修会を今後も実施しますので「自分の病院で開催したら」「こんなテーマでの研修は」などのご意見がございましたらぜひお寄せ願います。

具体的な取り組みの2つめですが研修医、専修医への情報発信としてこの春に研修医・専修医向け情報誌「NHO NEW WAVE」の1号を発刊しました。研修医の生の声を紹介し、様々な院長先生の哲学やカリスマ指導医のメッセージに触れることでNHO病院の魅力を伝えるとともに研修情報や就職情報を提供し情報を共有する内容です。最近の若いドクターは紙媒体はあまり読まないようなので、来年には双方向でコミュニケーションできるWebでの発信も予定しています。

また、医師育成キャリア支援のための検討も始めました。国立病院機構の病院はネットワークのメリットはあるものの700床を超える急性期病院から300床規模の地域の中核病院、さらには神経・筋疾患、結核、重心、筋ジス、精神疾患にいたるまで診療内容が多岐にわたるなど、多様な施設が含まれています。このような多様な施設に所属する研修医・専修医の育成、キャリア支援を行うには広く施設から意見を集め、また議論をすることによって方針を決めていく必要があります。

そこで「医師キャリア支援検討委員会」を設置し、国立病院機構における医師のキャリアに関する課題の抽出や、キャリア支援の方針と支援の方策について検討を行っています。また「研修指導責任者部会」では研修医の指導に当たっている臨床現場での課題の把握や、改善のための検討を続けています。


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