89歳 井口 潔 先生も演奏
9月27日19時から九州大学百年講堂(福岡市博多区)で医学部同窓会が一般社団法人に移行したのを記念した演奏会「バイオリンとピアノが織り成す癒しの世界」が開かれた。
この日、井口潔先生(昭和20年卒)と住吉良康先生(昭和34年卒)から同窓会にグランドピアノ(YAMAHA-C3)が寄贈され、そのお披露目となった。熊澤浄一同窓会長から井口、住吉両先生に感謝状が贈られた。
第1部では、盲目のバイオリニストの穴澤雄介さんと佐賀大学医学部大学院非常勤講師でピアニストの野田正純さんがピアソラの「リベルタンゴ」やオリジナル曲「ようこそ楽登王国へ」(NHKラジオ"ともに生きる"テーマソング)など4曲を演奏。
穴澤さんは、先天性緑内障のため25歳で失明、大動脈弁狭窄症で3回の手術を受けている。約3年前から野田さんとともに、CDリリースやライブ活動のほか、中学校や小児病棟での講演や演奏にも積極的に取り組んでいる。
休憩を挟んだ第2部では、来年90歳になられる井口先生が穴澤さんとモーツァルトの「ピアノとバイオリンのためのソナタ」第2楽章を協演し、聴衆から温かな拍手が送られた。
穴澤さんによると、この楽曲は難曲でプロの演奏家でも相当量の練習が要求されるという。この日、井口先生は早くから会場入りし、開演直前まで入念なリハーサルを行った。
最後に井口先生は「青春時代にピアノに親しんだが、60歳を過ぎて再び本格的に取り組み始めました。死ぬまで上手くなり続けたい」と語った。